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独りアクティブ非モテ系16年目ドクターのにっき。
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仕事が一段落して麻酔科ドクターが部屋に戻ってきた夕方。
脊髄くも膜下麻酔がなかなか上手にならないという、
新人麻酔科ドクターに、みんなで脊麻が上手になる方法について、
レクチャーなんかをしておりました。


ちなみに脊髄くも膜下麻酔、いわゆる腰椎麻酔のことで、
背中から麻酔薬を注射して下半身を麻痺させる局所麻酔のひとつ。
帝王切開とか、鼠径ヘルニアとか、
足首の骨折とか、一部の前立腺手術とか、
いろいろな科の手術で使われている麻酔であります。




脊髄くも膜下麻酔の様子。金沢大学のサイトより。


A「針の刺し方が違うんちゃうか?角度とか。」
B「垂直にやってるつもりなんですけど。。。」
C「あと、浅いところで止まり過ぎかも。目標はもっと深いよ。」
A「確かに、ちょっと浅いところで止め過ぎかも。」
C「まあ、いろいろあるけど、とりあえずは経験ですよ。」
A「せやな。」
C「数をこなせば、靭帯の中を進む感覚とかわかるはず。」
B「そうですかねー。」
C「よし、とりあえず・・・」







B「え、2万本も、無理ですよー。」
A「おいおい。せっかくならせめて、腕を組んで・・・」







A「って言って欲しかったけど。」
C「さすが先生、わかってらっしゃるwww。」(←※マニアその1)
B「?????」
A「先生、あと、脊髄くも膜下麻酔成功の秘訣は知ってるか?」
B「知らないです。。。」
A「それはですね・・・」






A「わかるか?」
B「そうなんですかー?」
A「せやねん、左手に力をかけるとむしろ邪魔かも。」
B「うーん、そうかも。。。」
C「左手使わない人もいますしね。右手だけでやっちゃう人。」
A「『片手派』のひとたちやな。」
C「しかし何気にこのフレーズ、他の手技でもいろいろ使えますよね。」
A「せやねん。CV(中心静脈)取る時とか。」
C「ああ、確かにwww。」
A「内頸静脈とか、左手で押し過ぎたらつぶれるからなー。」
C「確かに、押さえ過ぎると逆血確認しにくくなりますよね。」
A「まさしく、『左手はそえるだけ』やな。」
C「ですね。」
B「?????????」


・・・


・・・


そんなわけで今日もマニアックに麻酔科の夕方は過ぎてゆくのでした。
ちなみにはくこうの脊髄くも膜下麻酔は基本右手のみの片手刺し、
そして全例paramedian approachだったりします。

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はくこうさん、かっこいー!!!
kazu 2013/08/19(Mon)00:15:27 編集
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HN:
はくこう
性別:
男性
職業:
麻酔科医
自己紹介:
近畿地方の某市中病院に勤める麻酔科医。気がつけばドクター16年目、WEBでのカキモノは22年目に突入ながら、変わらない非モテ系が、そこにはいる。ズーン。
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