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独りアクティブ非モテ系16年目ドクターのにっき。
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この1ヶ月で全身麻酔カイザーを4件引いたはくこうです。
某心疾患合併に、ITP合併に、obesity脊麻不能に、早剥DICとなかなかの。
本物フルストマック緊急もあり、なかなかに緊張感を強いられる麻酔ですが、
母子ともに健康に手術室を送り出せれば嬉しい限りです。


というわけで某日の術後回診、整形外科術後のAさんであります。
体型的に硬膜外麻酔困難ということで、
前回手術時も硬膜外麻酔やったものの結局入っておらず、
術後大変な痛みに苦しめられたとのこと。
今回は俺が担当しましたが、確かに難しい体型、
しかし感触的には入った・・・はず。


俺「どうも、麻酔科のはくです。術後回診に参りました。」
A「あ、どうも、麻酔科の先生ですね。ありがとうございました。」
俺「術後、どうでした?」
A「それがですね。」
俺「ええ。」
A「今回は、全く痛みが無かったんですよ。もう、ビックリして。」
俺「硬膜外麻酔、今回は効いたみたいですね。」
A「ええ、前回のことを考えると、もうほんとに、ウソみたいです。。。」
俺「効いてくれてよかったです。」
A「本当に、ありがとうございました。痛みが一番不安で・・・。」
俺「整形の先生が良い手術をしてくれたんですよ(笑)。」
A「ええ(笑)。でも硬膜外麻酔の管、昨日抜いたらちょっとまた痛くなって。」
俺「あら。」
A「いや、もう我慢できるんですが、やっぱりあれ、効いてたんだなって。」
俺「ええ、僕の感触的にはバッチリ決まってましたからね(笑)。」
A「ありがとうございました。」
俺「術後、吐き気や声のかすれ、寒さなどありませんでしたか?」
A「特になかったです。」
俺「術中のこと、覚えてたりします?」
A「いえ、全く(笑)。気がついたら部屋でした。麻酔ってすごいですね。」
俺「特に問題なかったようで、何よりです。」
A「ありがとうございました。でも先生。」
俺「はい?」
A「もう先生とは二度とお会いしたくないですね。」
俺「?」
A「もうこれで手術は終わりにして、私、元気になりますから(笑)。」
俺「そうですね(笑)。僕もまたAさんとお会いしないことを祈ってます(笑)。」
A「一期一会ですね。」
俺「そうですね(笑)。お大事にしてください。」
A「ありがとうございました。」


・・・


ぶっちゃけ硬膜外麻酔が効いた、それだけのことなんですが、
麻酔科医としての原点を思い出したこの麻酔。
心臓麻酔、循環動態不安定の麻酔、緊急気道確保、集中治療など、
修行中の身としては派手な麻酔に目を奪われがちですが、
患者さんに満足できる鎮痛を施し、術後の不快の軽減など、
患者さん満足度の高い麻酔をさらに追求していこうと改めて思ったはくこうです。


俺らが毎日のように従事している麻酔、手術業務は、
それを受ける患者さん一人一人にとっては人生の一大事、
毎日訪れる人生の一大事たちに、常に我がベストを尽くしたいと思うはくこうでした。

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無題
いいお話 です。
asami 2011/11/25(Fri)13:23:54 編集
無題
同感・・・。
焼き栗→甘栗 2011/11/25(Fri)19:25:51 編集
無題
日記の最後にいつものやつがなくて良かったです^^
*** 2011/11/27(Sun)00:47:21 編集
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はくこう
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男性
職業:
麻酔科医
自己紹介:
近畿地方の某市中病院に勤める麻酔科医。気がつけばドクター16年目、WEBでのカキモノは22年目に突入ながら、変わらない非モテ系が、そこにはいる。ズーン。
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