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独りアクティブ非モテ系16年目ドクターのにっき。
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たまには医学的ネタを。


院内でもなかなかに問題となるClostridium difficile(CD)感染。
偽膜性腸炎の主な起炎菌として、
入院患者さんが下痢をおこしたらまず鑑別に挙げる菌ですが、
これがなかなか治らんかったり、
発見が遅れて別の人に感染ってたりとけっこう苦労する菌なわけです。


そんなCD感染に関する論文2本。
まずはNew England Journal of Medicineから。




いわゆる「便移植」の論文。しかもRCT(!)。
患者を3群(①VCM+腸洗浄+便移植、②VCMのみ、③VCM+腸洗浄)に分類、
primary endpointは10週間再発のないCD関連下痢の改善。
ちなみに便移植、健康なドナーの便(!)を
患者の経鼻十二指腸チューブから投与とのこと。
そして結論としては便移植はVCM単独投与よりもはるかに効果があったと。
まあ健常なドナーの便で腸内細菌叢を再構築するという治療ですが、
これからもしかしたらCD腸炎と診断されたら、
誰かの便を食わされる時代が来るんじゃないかと思うと、
心理的にはやっぱり抵抗がある治療法やなーとは思います。
誤嚥とかしたらえらいことになりそうな気がしたりしなかったり。。。。


そして2本目はBMJより。


BMJ 2012; 345


CD感染の臭いを嗅ぎ分けるよう訓練されたビーグル犬を使用。
300人の患者(30人がCD感染者、270人がコントロール)が対象。
そしてその結果ですが、便検体に対しては
なんと感度100%、特異度100%でCD感染を同定。
患者に対しても感度83%、特異度98%でCD感染を同定できたとのこと。

これからはCD感染の早期発見のために、
病棟内を犬がウロウロする時代が・・・


・・・


来ないやろなぁ。。。。。

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無題
便移植!?

理にかなっているとは思いますが…まさか食べたり飲んだりは 糖衣錠ならビーグルに自分の後ろをウロウロされたらやです
りこさん 2013/02/05(Tue)09:16:52 編集
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